ゲーム実況や動画制作を始める上で、必要不可欠なアイテムの一つが「キャプチャーボード」です。PCやゲーム機からの映像・音声を高画質・低遅延で取り込むことで、クオリティの高い配信や録画が可能になります。
しかし、市場には様々なキャプチャーボードがあり、どれを選べば良いか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、2025年現在、「売れていて評価が高い」キャプチャーボードを5つ厳選し、それぞれのメリット・デメリット、コストパフォーマンス、そしてどんな用途に最適かを詳しく解説していきます。あなたの用途にぴったりの一台を見つける参考にしてください!
Elgato Game Capture HD60 X

長年にわたりキャプチャーボード市場を牽引してきたElgatoの定番モデル。外部接続型で、PS5やXbox Series X/Sなどの最新ゲーム機にも対応しています。
- 安定した高品質な映像
- 低遅延パススルー
- 設定の容易さ
- コンパクトで持ち運びやすい
このデバイスは、1080p/60fpsでの安定した録画・配信を可能にし、配信者には高品質な映像を提供します。さらに、4K/60fps HDRパススルーに対応しているため、プレイヤーは高画質でゲームを楽しみながら、配信は1080pで行うといった柔軟な使い方が可能です。
ゲームプレイにおいては、非常に低い遅延でのパススルーが特長で、ゲーム体験に一切影響を与えません。また、VRR(可変リフレッシュレート)に対応しているため、ティアリングのない滑らかな映像でゲームに没頭できます。
セットアップはプラグアンドプレイで比較的簡単に行え、導入のしやすさも魅力です。Elgato独自のソフトウェア「4K Capture Utility」は直感的で使いやすく、さらにOBS Studioなどのサードパーティ製ソフトウェアとの連携もスムーズなため、既存の環境にも容易に組み込めます。
- 4K録画は30fpsまで
- 価格は高め
- ソフトウェアの癖
本製品は多くの利点を持つ一方で、いくつか考慮すべき点があります。まず、4Kでの録画は30fpsまでとなるため、4K/60fpsでの録画を求める場合は上位モデルの検討が必要です。
また、価格に関しては、他社製品と比較するとやや高価な部類に入ります。
さらに、Elgato独自のソフトウェアには、一部で安定性に課題があるという声も聞かれます。しかし、これはOBS Studioなどのサードパーティ製ソフトウェアを使用することで解消できるため、大きな懸念にはならないでしょう。
- 各種ゲーム機のゲーム実況・配信
- ゲームプレイ動画の録画・編集
- イベントでのゲーム配信など、持ち運びが必要なシーン
AVerMedia Live Gamer Portable 2 PLUS (AVT-C878 PLUS)

PC不要で単体録画が可能な点が最大の魅力であるAVerMediaのポータブルキャプチャーボード。外出先での録画や、PCのスペックに自信がない方におすすめです。
- PC不要の単体録画モード
- 4Kパススルー対応
- ヘッドセット端子搭載
- コンパクトで持ち運びやすい
- 専用ソフト「RECentral」
このデバイスは、PC不要の単体録画モードを搭載しており、microSDカードに直接録画できるため、PCなしで手軽にゲームプレイを記録できます。これにより、イベント会場や友人の家など、場所を選ばずに録画したい場合に非常に便利です。
また、4Kパススルーに対応しているため、プレイヤーは4K画質でゲームを楽しみながら、キャプチャーボードは1080p/60fpsで録画・配信が可能です。
さらに、ヘッドセット端子を搭載しており、ヘッドセットを直接接続することで、ゲーム音とマイク音声を同時に録音・配信できます。
本体はコンパクトで持ち運びやすく、バッグに入れて気軽に持ち運べる点も魅力です。専用ソフトウェア「RECentral」は、直感的な操作で録画・配信設定が可能なので、初心者でも安心して使えます。
- 録画解像度は1080p/60fpsまで
- USB 2.0接続
- HDR録画は非対応
- 一部の環境で安定性に課題
本製品を検討する際には、いくつか注意しておきたい点があります。まず、録画解像度は1080p/60fpsまでとなっており、4K録画には対応していません。
また、接続方式がUSB 2.0であるため、USB 3.0/3.1に比べて転送速度が遅く、PCでの映像プレビューにわずかな遅延が発生する可能性があります(パススルー出力は低遅延で問題ありません)。HDR録画には非対応なので、HDRでの映像を残したい場合は別の選択肢を検討する必要があります。
ごく一部の環境では、認識されない、音声が途切れるといった安定性に関する課題も報告されています。ただし、これらの問題はファームウェアアップデートによって改善されるケースが多いようです。
- PCなしで手軽にゲームプレイを録画したい
- 外出先での録画や、イベントでの簡易的な配信
- PCのスペックがそれほど高くない方
- 手軽にゲーム音とマイク音声をミックスしたい方
Razer Ripsaw HD

ゲーミングデバイスでおなじみのRazerがリリースしている外部接続型キャプチャーボード。Razerらしい洗練されたデザインと、シンプルな操作性が特徴です。
- 4K/60fpsパススルー
- 1080p/60fps高画質録画・配信
- オーディオミキシング機能
- シンプルなセットアップ
- スタイリッシュなデザイン
このゲームキャプチャーデバイスは、ゲーマーと配信者の双方に快適な環境を提供します。まず、4K/60fpsパススルーに対応しているため、4K対応のゲーム機を接続しても、遅延なく高精細な4K画質でゲームをプレイできます。同時に、1080p/60fpsでの高画質録画・配信が可能で、安定してクリアな映像をキャプチャーできます。
さらに、便利なオーディオミキシング機能を搭載しており、マイク入力とAUX入力に対応。ゲーム音とマイク音声をデバイス内でミックスして出力できるため、別途ミキサーを用意する手間が省けます。
セットアップも非常にシンプルで、プラグアンドプレイですぐに導入可能です。OBS Studioなどの主要な配信ソフトウェアで問題なく利用できるため、既存の配信環境にもスムーズに統合できます。加えて、Razer製品らしいスタイリッシュなデザインは、デスク周りにも自然に馴染み、見た目にもこだわりたい方におすすめです。
- HDRパススルー・録画は非対応
- Razer Synapseの活用が必須ではない
- 専用のキャプチャーソフトウェアがない
本製品を検討する際には、いくつかの留意点があります。まず、4Kパススルーは可能であるものの、HDRパススルー・録画には対応していません。 HDRコンテンツを高画質で楽しみたい場合は、別の選択肢を検討する必要があります。
また、Razer製品でありながら、Razer Synapse(Razerの統合ソフトウェア)での活用は必須ではありません。 キャプチャーボード単体での機能は限られており、Razer Synapseでの設定項目も少ないのが現状です。
さらに、ElgatoやAVerMediaのように専用のキャプチャーソフトウェアは提供されていません。 録画や配信を行うには、OBS Studioなどのサードパーティ製ソフトウェアを使うことが前提となります。
- 4K画質でプレイしながら、1080p/60fpsで配信したい方
- オーディオミキシング機能を手軽に利用したい方
- OBS Studioなどのサードパーティ製配信ソフトを使い慣れている方
ASUS TUF Gaming Capture Card CU4K30

ASUSのゲーミングブランド「TUF Gaming」から登場した外部接続型キャプチャーボード。4Kパススルーに対応し、高い耐久性と安定性を求めるユーザーに選ばれています。
- 4K/60fps HDRパススルー
- 4K/30fps録画、1080p/120fps録画
- 低遅延
- コントローラー・ヘッドセット直接接続
- OBS Studio認証済み
- 耐久性の高いデザイン
このキャプチャーデバイスは、最新のゲーミング体験を最大限に引き出します。4K/60fps HDRパススルーに対応しているため、高画質・高フレームレートのゲームを遅延なく楽しめます。録画に関しては、4Kでの録画は30fpsまでとなりますが、フルHD(1080p)では最大120fpsの高フレームレート録画が可能です。これにより、特に動きの速いゲームで非常に滑らかな映像を記録したいユーザーには魅力的な選択肢となります。
また、非常に低い遅延で映像をキャプチャーできるため、配信画面を確認しながらゲームをプレイするといった運用も比較的容易です。本体にはコントローラーやヘッドセットを直接接続できる3.5mmジャックが備わっており、ゲーム音とボイスチャットを簡単にミキシングできる点も便利です。
ソフトウェア面では、OBS Studio認証済みであるため、高い互換性が保証されており、安心して利用できます。さらに、TUF Gamingシリーズらしい堅牢なデザインは、長時間の使用にも耐えうる高い耐久性を提供します。
- 4K/60fps録画は非対応
- 価格はやや高め
- 高負荷時には本体が熱くなる
本製品を検討する際には、いくつか把握しておくべき点があります。まず、4Kでの高フレームレート録画には対応していません。したがって、4K/60fpsでの録画を希望する場合は、他の選択肢を検討する必要があります。
また、価格はやや高価な部類に入ります。さらに、高負荷時には本体が発熱することがあります。
他の主要メーカーと同様に、専用の録画ソフトウェアは提供されておらず、OBS Studioなどの汎用ソフトウェアを使うことが前提となります。
- 高品質な配信や録画を行いたい方
- 高フレームレート(120fps)での録画を重視する方
- 信頼できるメーカーの製品を選びたい方
I-O DATA GV-USB3/HD

PC周辺機器メーカーとして信頼性の高いI-O DATAのキャプチャーボード。ソフトウェアエンコード型で、付属ソフトウェアの使いやすさに定評があります。
- USB 3.0接続で安定した転送
- 低遅延パススルー
- 付属ソフトウェアが充実
- 初心者にも優しい
- 発熱が少ない
このゲームキャプチャーは、安定したパフォーマンスと充実した機能で、初心者から幅広いユーザーにおすすめできます。USB 3.0接続に対応しているため、安定したデータ転送が可能です。
ゲームプレイにおいては、低遅延パススルーによりゲーム体験に影響を与えることなく快適にプレイできます。
付属ソフトウェアも充実しており、専用の録画ソフト「I-O DATA HD Mix Capture」は直感的な操作で録画や簡易編集が行えます。さらに、XSplit Broadcasterの期間限定ライセンスも付属しているため、購入後すぐに高機能な配信環境を構築できます。
初心者にも優しい設計で、分かりやすい説明書が付属しているため、キャプチャーボードを初めて使う方でも安心して導入できます。また、長時間の使用でも発熱が比較的抑えられているという評価もあり、安定した運用が期待できます。
- 録画解像度は1080p/60fpsまで
- PS3のHDCP問題
- ソフトウェアエンコード型
録画解像度は1080p/60fpsまでとなり、4K録画には対応していません。
また、PS3のHDCP問題にも留意が必要です。PS3の映像はHDCP(著作権保護技術)により保護されているため、本製品単体では録画できません。別途、HDCP解除機能付きのHDMI分配器を用意する必要があります。
さらに、この製品はソフトウェアエンコード型であるため、PCのスペックに性能が左右されます。PCの性能が低い場合、録画中にフレームレートの低下やカクつきが発生する可能性があります。
- PCで手軽に録画・編集したい初心者
- Nintendo SwitchやPS4などのゲーム機をメインに配信・録画したい方
- 信頼できる国内メーカーの製品を選びたい方
- 付属ソフトも活用したい方
まとめと選び方のポイント
ご紹介した5つのキャプチャーボードは、それぞれ異なる強みを持っています。あなたのニーズに合った一台を見つけるために、以下のポイントを参考にしてください。
単体録画を重視するなら
- AVerMedia Live Gamer Portable 2 PLUS (AVT-C878 PLUS)
外出先での録画やPCのスペックに依存しない手軽さを求めるなら、このモデルが最適です。
高画質・低遅延を重視するなら
- Elgato Game Capture HD60 X
- ASUS TUF Gaming Capture Card CU4K30
PS5やXbox Series X/Sなどの最新ゲーム機で高画質・低遅延のパススルーを求めるなら、この2つが有力候補です。Elgatoは安定した定番、ASUSはHDRパススルーや高フレームレート録画(フルHD時)に強みがあります。
コストを抑えつつ始めたいなら
- I-O DATA GV-USB3/HD
I-O DATAは付属ソフトが充実しているため、初心者にとって手が出しやすい価格帯でスタートできます。
キャプチャーボード選びは、あなたの目的と予算、そして使用するゲーム機やPCの環境によって大きく変わってきます。ぜひこのブログ記事を参考に、あなたにとって最適な一台を見つけて、素晴らしいゲームライフやコンテンツ制作を楽しんでください!